
「ChatGPTにお願いしても、なんだか思うような回答が出てこない…」「もっと長い文章が欲しいのに、いつも短い要約しか来ない」「箇条書きでまとめてほしいのに、ただの文章で返ってくる」「特定のキーワードを強調したいのに、AIが意図を汲んでくれない」そんなAIとの“すれ違い”は、もしかしたら『プロンプト記号』の使い方が原因かもしれません。 本記事を読めば、AIがあなたの意図を100%理解し、驚くほど的確な答えを返すようになる秘訣を、初心者の方でも一から習得できます。
プロンプト記号とは|意味と役割を簡単に理解
AIに正しく意図を伝えるのって、難しく感じることはありませんか? 特にChatGPTやDALL·Eなどの生成AIは、ただの単語だけでなく、文章の構造や記号の使い方からも「どんな出力を求めているか」を判断しています。
つまり、プロンプトの中で使われる「記号」には、それぞれ意味や効果があるのです。 たとえば、括弧で囲むことで強調できたり、コロンやカンマで文の区切りを明確にしたりと、記号を上手に使えば一度の入力で精度の高い出力が得られます。
AIは人間のように文脈を完璧に理解するわけではありません。記号は、AIが膨大なデータの中から『どこが重要か』『何をすべきか』を瞬時に判断するための『目印』や『指示命令』のような役割を果たします。これにより、AIは無駄な推測をせず、効率的かつ正確にあなたの意図を捉えることができるのです。
この章では、そうしたプロンプト記号の「役割」をざっくりと理解していきましょう。
「Markdown」とは、テキストに簡単な記号をつけるだけで、見出しやリスト、太字などを表現できる軽量なマークアップ言語です。ChatGPTやブログ記事の構造整理に役立ちます。
例:
# 見出し
→ 大見出し*箇条書き*
→ 箇条書きや斜体**強調**
→ 太字
ChatGPTでも、Markdown記法に準拠した出力を求めると、読みやすい整形が得られることが多くなります。
よく使われるプロンプト記号一覧と意味
AIに意図を的確に伝えるために使われる主要な記号を、以下の表にまとめました。 特に画像生成AI ChatGPTで頻出の記号については、実例も交えて解説しています。
プロンプト記号の種類と使い方まとめ(ChatGPT)
記号 | 意味・効果 | 使用例 | ポイント(初心者向け) |
# (シャープ ) | 見出しを作ります。文章に「章立て」をつけるイメージです。 | # 大きな見出し ## 中くらいの見出し | ChatGPTが答えを整理しやすくなります。長い説明文が欲しいときに便利です。 |
- (ハイフン) | 箇条書きを作ります。項目を羅列する時に使います。 | - 箇条書き1 - 箇条書き2 | 情報をすっきりと並べてくれます。メリット・デメリットなどを聞くときに役立ちます。 |
1. (数字とピリオド) | 番号付きリストを作ります。手順や順番を明確にしたい時に使います。 | 1. 最初のステップ 2. 次のステップ | ChatGPTが段階的な説明をしてくれます。レシピや操作手順を聞くときに便利です。 |
* (アスタリスク) | 文字を強調したり、箇条書きを作ったりします。 | *イタリック体* **ボールド体** | 特定のキーワードを目立たせることができます。大事な部分を伝えたい時に使いましょう。 |
_ (アンダースコア) | 文字を強調します。アスタリスクと同じような効果です。 | _イタリック体_ _ボールド体_ | * と同じように強調できます。どちらを使っても大丈夫です。 |
"" (ダブルクォーテーション) | 厳密なキーワードを指定したり、引用文を示したりします。 | "正確なフレーズ" "引用したい言葉" | ChatGPTに特定の言葉を正確に使ってほしい時に便利です。 |
: (コロン) | 説明や定義を示したり、形式を指定したりします。 | 要約:〇〇 形式: リスト | 「〜について説明して」や「この形で出して」と指示する時に使います。 |
() (丸括弧) | 補足情報や、グループ化された指示を示します。 | (ただし、簡潔に) (要約し、箇条書きで) | 「これは補足です」や「この2つの指示はまとめて」と伝える時に便利です。 |
[] (角括弧) | リンクのテキストを示したり、選択肢を提示したりします。 | [ここをクリック](URL) [選択肢A]または[選択肢B] | 他の記号と組み合わせて使うことが多いです。 |
{} (波括弧) | プログラミングの文脈で使われることが多く、特定の構造を示唆します。 | {キー: 値} | 主にJSON形式のようなデータ構造を求める際に使うと、ChatGPTがその形式に合わせてくれます。 |
, (カンマ) | 複数の項目を区切る時に使います。 | A, B, Cについて | 「これとこれとこれについて教えて」とたくさんの項目を同時に聞きたい時に使えます。 |
--- (ハイフン3つ以上) | 水平線(区切り線)を引きます。 | --- | 文章のセクションを明確に区切るために使います。 |
``` (トリプルバッククォート) | コードの塊や、特定のデータ形式を指定します。 | print("Hello") | プログラムのコードや、特定の形式(例:CSV、JSON)で回答が欲しい時に使うと、とてもきれいに表示してくれます。 |
例:
#
(シャープ): 「長いブログ記事の構成案が欲しいのに、どこから手をつけていいか分からない」→ 「ChatGPTが回答を章立てして整理してくれるので、複雑な構成も一目で把握でき、編集の手間が大幅に減ります。」-
(ハイフン): 「メリットとデメリットを箇条書きで比較したいのに、文章でダラダラ書かれてしまう」→ 「情報をすっきりと並べてくれるので、ポイントが明確になり、比較検討がしやすくなります。」""
(ダブルクォーテーション): 「特定の専門用語や商品名について正確に言及してほしいのに、AIが勝手に類義語を使ってしまう」→ 「ChatGPTに狙ったキーワードを厳密に扱わせることで、情報の正確性を保証できます。」()
(丸括弧): 「指示がたくさんあって、どれを優先していいかAIが分からなさそう」→ 「補足情報や指示の優先度を明確にできるため、AIがあなたの命令を迷わず実行してくれます。」
慣れるまでは、自分の使っているAIサービスで「どの記号が有効か」を確認しながら使ってみるのがおすすめです。
他にも使える補助記号|整形や構造化に便利な記号たち
プロンプトには出力を直接制御する記号以外にも、「見やすさ」「構造の明示」「キーワードの強調」などに役立つ補助記号が存在します。以下は、ChatGPTなどの会話系AIで特に役立つ記号です。
記号 | 意味・効果 | 使用例 | 備考 |
---|---|---|---|
** (バッククォート (単一)) | インラインコードや特定の語句の強調。文中の技術用語や特定のコマンドを目立たせたい時に使います。 | ファイル名.txt | 文中でサラッと専門用語や固有名詞を強調したい場合に便利です。 |
< > (山括弧 / 不等号) | HTMLタグとして認識させたり、プレースホルダーを示したりします。 | <p>これは段落です</p> <ここに回答を入力> | HTMLやXMLのようなタグ構造を持つテキストを生成させたい時に有効です。また、「ここに何か入れてほしい」という指示としても使えます。 |
| (パイプ) | 選択肢の区切り: 「A | B」のように、「A」と「B」のどちらかを選択できることを示します。 | テーブルの列の区切り: Markdown記法でテーブルを作る際に、各列の間にこの | を入れて区切ります。 | ChatGPTに選択肢を提示させたり、特定の形式(特に表)で情報を出力させたいときに非常に役立ちます。 |
@ (アットマーク) | 特定の要素への言及や役割指定。ソーシャルメディアでのユーザーへの言及のように、ChatGPTに特定の役割(例:@専門家 )を割り当てて回答を促すような、仮想的な役割指定に使われることがあります。 | @AIエンジニアの視点で解説してください。 | 特定の専門知識や視点からの回答を期待する時に、プロンプトの冒頭などで使うと効果的です。 |
% (パーセント) | 割合や比率の指定。数値を扱う際にその意味を明確にするのに役立ちます。 | 売上の50%を占める | ChatGPTが数値を扱う際に、それが単なる数字ではなく割合であることを伝えるのに使えます。 |
~ (チルダ) | 範囲、否定、おおよそ。おおよその値や範囲を示す場合や、否定的なニュアンスを伝える際に使われます。 | ~100文字程度 ~ではない | 厳密な数値ではないことや、曖昧な範囲を示す際に便利です。また、否定のニュアンスを加えたい時にも使えます。 |
これらは記号そのものに「強いAI的意味」があるというよりも、文脈を整える補助的な記号です。整ったプロンプトはAIの理解を助け、意図に近い出力へと導いてくれます。
次の章では、実際にこれらの記号を使って、どのようにプロンプトが変化するのか具体例を交えて解説します。
ChatGPTでのプロンプト記号の使い方実例集
ここでは、実際にChatGPTや画像生成AIで記号を使ってプロンプトを改善する例を紹介します。 記号の意味を学ぶだけでなく、実際に「どのように使えば効果があるのか」を知ることで、今後のプロンプト作成がよりスムーズになります。
テキスト指示で使える記号パターン
ChatGPTでは、記号の活用で情報の区切りや強調がしやすくなります。
- コロン
:
:指示内容を明確にする- 例:
以下の内容を要約してください: 『文章本文』
- 例:
- ハイフン
-
:箇条書き形式で整理- 例:
– メリット
– デメリット
- 例:
- 二重引用符
""
:文字列やキーワードとして指定- 例:
"キーワード" を中心に説明してください
- 例:
これらを組み合わせると、ChatGPTへの入力が整理され、意図が伝わりやすくなります。
例えば:
ダメなプロンプト例:
日本の観光地について教えてください
ChatGPTの出力:
日本にはたくさんの観光地があります。京都の金閣寺や東京タワー、富士山などが有名です。…(一般的な説明)
良いプロンプト例:
# 日本の観光地のおすすめ3選
を箇条書きで、
各項目に【魅力】
と【おすすめ度】
を付けて紹介してください。
ただし、東京以外の地域に限定し、それぞれ100文字以内で簡潔にまとめてください。
(特に歴史的な場所を優先)
ChatGPTの出力:
# 日本の観光地のおすすめ3選
- 1. 広島平和記念公園
【魅力】平和の尊さを深く学べる場所。原爆ドームは世界遺産。
【おすすめ度】★★★★★
- 2. 京都・清水寺
【魅力】歴史ある木造建築と京都市内を一望できる舞台。紅葉も美しい。
【おすすめ度】★★★★☆
- 3. 奈良・東大寺
【魅力】大仏殿の巨大さに圧倒される。多くの鹿と触れ合える。
【おすすめ度】★★★★☆
このように具体例で比較することで、記号を使うと、こんなにも意図通りの回答をえられることができます。
次は、プロンプト記号を活かす設計のポイントについて解説していきます。
記号を活かすプロンプト設計のコツ
プロンプトは、ただキーワードを並べればよいというものではありません。
記号を効果的に使うことで、AIにとって理解しやすい構造になり、出力の質も大きく変わります。
まず意識すべきは、「1つのプロンプト内で何を重視し、何を避けたいか」を明確にすることです。
たとえば、以下のような点を工夫すると効果的です:
- 優先したい要素には括弧
()
を使い、明確に強調する - 弱めたい要素には中括弧
{}
を活用して曖昧に伝える - 文字列として認識してほしい語句は二重引用符
" "
で囲む - 説明の順番は、重要な順に並べることでAIの誤解を減らせる

AIはプロンプトの構成や要素の強調を読み取ります。例えば、画像生成AIの例ですが、『girl, hat, smiling』と『(smiling girl) with (hat), soft lighting』では、同じAIでも全く異なる表情や雰囲気を生み出します。これはChatGPTでも同じで、要素の順序や強調の仕方が回答の質を大きく左右することを示しています。
実際、プロンプトを「girl, hat, smiling」から「(smiling girl) with (hat), soft lighting」に変えたことで、表情やライティングの表現力が劇的に改善されました。
また、ChatGPTでは文脈を伝えるためにコロンや改行、リスト構造が非常に有効です。プロンプトの段階で思考整理しておくと、出力の質が上がるだけでなく、調整の手間も減ります。
実例で学ぶ|プロンプト記号を活用した実践プロンプト例
以下は、この記事で紹介したさまざまな記号(""
, ()
, []
, {}
, --
, *
, #
, -
など)を実際に組み込んだ、プロンプト設計の実例です。 初心者でも使いやすく、画像生成AI(ChatGPT+DALL·E、Midjourney等)でも再現しやすい構成にしています。

ChatGPTで詳細なキャラクター設定を出力するプロンプト例
# 猫の写真生成プロンプト
**基本設定:**
- スタイル: `フォトリアリスティック`
- 品質: `高解像度`
- ライティング: `自然光`
**被写体:** "サビ猫の子猫"
- 毛色: {黒・茶・クリーム色のトーティシェル模様}
- 瞳: [鮮やかな黄緑色の大きな瞳]
- 年齢: (生後3-4ヶ月程度の子猫)
- 首輪: *赤い首輪* + *金色の鈴*
**ポーズ・表情:**
- 姿勢: `リラックスした横たわりポーズ`
- 視線: [カメラを見つめる好奇心溢れる表情]
- 耳: (ピンと立った警戒心のある耳)
**背景・環境:**
- 場所: "白いソファまたはベッド"
- 照明: <柔らかい室内の自然光>
- 雰囲気: {温かみのある家庭的な空間}
**除外要素:**
- 人工的すぎる照明
- 過度な加工感
- 不自然なポーズ

このように、構造を整理して記号を使うことで、AIが各要素を的確に解釈し、思い描くビジュアルにより近い出力を得られるんだにゃ〜!
次の章では、よくある質問と注意点をQ&A形式で解説します。
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よくある質問と注意点|プロンプト記号Q&A
プロンプト記号に関して、よくある疑問と注意点をQ&A形式でまとめました。
ChatGPTでは効果が薄い?意図通りに機能しない記号
「ChatGPT」は基本的にMarkdown記法を理解しますが、すべての記号があなたの意図した通りに機能するとは限りません。特に以下の記号は、注意が必要です。
![]()
(画像埋め込み記号)- Markdownでは画像を記事に埋め込むための記号ですが、ChatGPT自体に画像を直接表示する機能はありません。プロンプトに含めても、画像は表示されず、画像URLがテキストとして出力されるに留まります。
- 特定のAIサービス独自のパラメータ記号
- 例えば、画像生成AIのMidjourneyで使われる
--ar 16:9
(アスペクト比指定)やdog:1.2
(要素の重み付け)のような記号は、そのAIサービス固有の機能です。これらをChatGPTのプロンプトに含めても、特別な意味としては解釈されず、単なる通常のテキストとして扱われます。
- 例えば、画像生成AIのMidjourneyで使われる
- 一部のHTMLタグ (
<br>
など)- Markdownの基本ルールから外れる一部のHTMLタグ(特に改行を意図する
<br>
など)は、ChatGPTの出力インターフェースによっては、期待通りの視覚的な整形が得られない場合があります。多くの場合は単なるテキストとして出力されます。
- Markdownの基本ルールから外れる一部のHTMLタグ(特に改行を意図する
- 複雑なテーブル表示の不安定さ
- これは記号そのものが「使えない」わけではありませんが、
|
(パイプ)を使ったMarkdownテーブルは、セルの内容が非常に長かったり、セル内に改行が含まれるなど、構造が複雑になるとChatGPTの出力や表示が崩れることがあります。これはAIの出力精度というより、インターフェースの表示上の制約であることが多いです。
- これは記号そのものが「使えない」わけではありませんが、
これらの記号は、ChatGPTの「テキスト生成」という主要な役割においては、必ずしも効果を発揮しないことを覚えておきましょう。
まとめ|記号を理解すればプロンプトはもっと強くなる


AIにうまく伝えるには「どの言葉を使うか」だけでなく、「どう伝えるか」も重要です。 本記事では、プロンプト記号の意味や使い方、実際の活用例や注意点まで、初心者にもわかりやすく解説してきました。記号の扱いをマスターすれば、ChatGPTとの対話が驚くほどスムーズになり、あなたのビジネス文書作成、情報収集、アイデア出しが飛躍的に効率アップします!
・思い通りの出力が得られるようになった
・再入力の手間が減った
・表現の幅が広がった
そんな実感を、ぜひあなたにも味わってほしいと思います。このガイドが役立ったと感じたら、ぜひブックマークやSNSでシェアして、プロンプト仲間にも広めてくださいね!



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